Can music make wine taste better?
(音楽はワインをより美味しくすることができるのか?)
Decanterのウェブサイトにこんな記事がありました。
皆さんはどう思いますか?
音楽を聴きながら料理を作ったり、掃除をしたり、ドライブしたり。
もはや音楽は私たちの生活の一部であり、私たちの生活をより豊かにしてくれます。
お酒を飲むときにも音楽の役割はやはり重要で、例えばクラブで大音量で音楽を聴きながらビールを飲んだり。
あるいはジャズ・バーでジャズ音楽を聴きながらカクテルを飲んだり。
素敵な音楽を聴きながらお酒を飲むと、より一層お酒が美味しく感じられるという経験は、皆さんもお持ちではないでしょうか?
それなのになぜ今さら、「音楽とワインのマリアージュ」について記事になるのだろうか?と、初めは少し疑問に思いました。
しかし、読み進めていくと、もう少し詳しい内容まで掘り下げられていてとても面白い内容でしたので、今回は、その記事を紹介したいと思います!
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「適切な音楽を聞きながらワインを飲むと、15%増しの満足感が得られる」
これは、オックスフォード大学の実験心理学の教授、チャールズ・スペンス(Charles Spence)氏率いるチームによる研究結果です。
さらに、「甘い」や「酸っぱい」といった味覚は、「ピッチ(音の高低)」や「テンポ(音の速さ)」といった音楽の細かい要素と関わっているというのです。
従来の研究ではすでに、「人は外部の知覚と味わいを調和させたがる傾向がある」ということが解明されており、
「マルベックのような重たいワインにはオルガンのような楽器の音色」を、
「ソーヴィニョン・ブランのような軽やかな白ワインには、ハープのような楽器の音色」
を合わせると良いとされています。
しかし、今回の研究で新たに分かったことは、
「音自体がワインの味わいやテクスチャーを変える力がある」
ということなのです。
例えば、パワフルでヘビーな音楽を聴いているときは、ワインの味わいもよりパワフルでヘビーなものに感じやすくなり、
心地よくソフトな音楽を聴いているのであれば、ワインの味もまた柔らかくソフトなものになるということ。
これは、「食事をするときやお酒を飲むとき、脳(味覚)は外部からの影響を受ける」という研究結果に基づいたものです。つまり、適切な音楽を流せばワインをより美味しく感じられるということです。
以下に、研究結果による音楽とワインとのマリアージュを紹介していきます。
「甘口ワイン、例えば遅摘みの収穫で造られる甘口リースリングのようなワインには、一定のリズムでテンポはゆったりめ、そして高い音程だがソフトな音楽が合う。ピアノ音楽がベストである。」
食後に飲まれることが多い甘口ワインでは、やはり、ゆったりめで落ち着いた音楽が合うのでしょう。
異性とのディナーデートで、食後にデザートと一緒に甘口ワインを飲んだら、とてもムーディーな気分になれそうですね。
酸味のあるワインに合う音楽は?
「酸味のあるワイン、例えばバルベラ種を使用したイタリアの赤ワインには、シンコペーションリズムで、速いテンポ、高い音程の音楽が合う。金管楽器を用いた音楽がベストである。」
シンコペーションとは音楽用語で「切分法」と言われるもので、強い拍と弱い拍の位置を変えてメロディーにリズム感を持たせる音楽手法のことです。
「酸味があるワイン=軽快なワイン」と考えると、音楽もリズミカルでテンポの早い軽快なものの方が酸味のあるワインには合いそうですね。
ボジョレーに合う音楽は?
「ボジョレーのようなフルーティーなアロマのワインには、高音程な音楽が合う。」
としています。
ここではワインの香りと音楽の音程の高低差をリンクさせているのですが、ボジョレー・ヌーヴォーに代表されるように、ガメイ種を使用した比較的軽やかでフルーティーなボジョレーには、高い音程で軽快な音楽が合うようです。
マルゴー産のワインに合うワインは?
「マルゴーのようなスモーキーな香りや、ネロダヴォラのようなダークチョコレートの香り、そしてボルドーのような杉の香りのするワインには、低音程の音楽が合う。」
とのこと。
ボジョレーのようなフルーティーな香りにが高めのキーの音楽が合うのに対して、樽香がついてどっしりとした香りには、音程も低めのどっしりとしたものが合うようです。
さらに、
「タンニンの強いワインには細かいストリングスのロック・ギター音楽が、そしてフルボディのワインにはオーケストラのような音楽が合う。」
としています。
ロックギターのようなノリノリの激しい音楽は、ざらついたタンニンも洗い流してくれるということなのでしょう。そしてフルボディのどっしりとしたワインは、やはりオーケストラのような壮大な音楽がその重厚感とマッチするのでしょうね。
バニラの樽香がするワインに合う音楽は?
「バニラ風味、例えばアメリカンオークで熟成させたシャルドネには、柔らかい音色で滑らかな調音、そしてスローテンポで一定したリズムの音楽と合う。」
新大陸で造られるシャルドネは、樽の風味をしっかりとワインに付けることが多く、バニラやバターの香りがしますが、この少し甘いニュアンスの香りには、ゆったりめの音楽が合うようです。
まとめ
ワインと料理のマリアージュと同じく、ワインにもその味わいを美味しくさせてくれる音楽とのマリアージュが存在することが、今回の研究結果でより詳しく知ることができました。
料理と同じように、軽快な音楽には軽やかなワインが、そして壮大な音楽には重厚感のあるワインが合うようです。
聴いてる音楽に合わせてワインを選んだり、あるいはその反対にワインに合わせて音楽を選んだり。
そんなごく自然で当たり前のようなワインと音楽とのマリアージュが、私たちの生活をより豊かなものにしてくれるのです。
様々な国で造られ、色々な種類が存在するワインだからこそのマリアージュなのかもしれません。
今宵も音楽とともに、Sante(=乾杯)!
参考サイト:Can music make wine taste better?/Decanter
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