【5大シャトー】シャトー・ムートン・ロートシルトってどんなワイン?

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シャトー・ムートン・ロートシルト(以下、ムートン)は、フランス・ボルドーのメドック地区の格付けで、1級に格付けされているシャトーであり、同名を冠した赤ワインは「5大シャトー」の一つとして、世界中のワイン愛好家から高い支持を受けています。

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ムートンってどんなワイン?

ムートンはボルドー・メドック地区の中でも、5大シャトーのうち3つのシャトーが存在するポイヤック(Pauillac)村に位置しています。90ヘクタールの畑を所有し、その作付面積は、カベルネ・ソーヴィニョン80%、メルロー16%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド1%。セパージュは各ヴィンテージでそれぞれ異なります。生産本数は年間約30万本。

ムートンの所有者は、バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社。バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社は、ムートンの他にも、格付け5級のシャトー・クレール・ミロンやシャトー・ダルマイヤックを所有しています。さらに、フランスだけでなく、カリフォルニア・ナパ・ヴァレーにロバート・モンダヴィ社とのジョイントベンチャー、オーパスワンや、チリのアルマイーヴァなどを所有。

2級格付けから唯一、1級へと昇格した伝説的シャトー

ムートンは1855年の格付け制定時、1級への格付けが有力視されていましたが、まさかの2級格付けにとどまりました。格付け1級を逃した際、ムートンはラベルに、「1級になれなかったが、2級に甘んじず、我はムートンである(PREMIER NE PUIS,SECOND NE DAIGNE,MOUTON SUIS)」と記載したことは有名。

その後、ムートンは不断の努力でボルドーワインに様々な技術革命を起こしていきます。1924年、それまでボルドーでは行われていなかった「シャトー元詰め」を発案するなど、ボルドーワインの品質向上に大きく貢献。そしてその貢献が見事認められ、1973年に悲願の1級昇格を果たしました。100年以上もの間、不変であったメドック格付けですが、ムートンは、唯一、2級から1級へ昇格を果たした伝説的なシャトーとなりました。記念すべき1973年ヴィンテージは、パブロ・ピカソがラベルを描き、そしてそのラベルにはこう記されました。

「1級になり得たが、かつては2級なりき、それでもムートンは不変である」(PREMIER JE SUIS,SECOND JE FUS,MOUTON NE CHANGE)

格付け1級に昇格した後も、ムートンは良き伝統を守り抜きながらも、最新鋭の設備投資や技術革新を行い続け、最高品質のワインを造り続けているのです。

ムートンの代名詞、著名な芸術家が描くアートラベル

ムートンは1946年以降、ラベル(エチケット)のデザインは著名な画家や芸術家によって描かれ、ワインコレクターの垂涎の的となっています。

アーティストラベル一覧はこちら

1979年ヴィンテージは、日本人として初めて堂本尚郎氏がムートンのラベルを描きました。当初、ムートンから依頼を受けた際、堂本氏は壁画のような大規模なスケールを想像していたようですが、ワインのラベルに描いて欲しいというムートンの依頼を一度は断ります。しかしその後、過去の偉大な芸術家たちの歴史を知り、承諾したそうです。ちなみに、1979年の干支は未(羊)。奇しくもムートンのトレードマークである羊と重なった特別なヴィンテージでもありました。

12年後の未年である2001年には、再び日本人アーティストがムートンのラベルを描きました。あの偉大なフランス人画家バルテュスの夫人であり、同じく芸術家である節子氏です。

ボルドーで偉大な年となった2000年は、アーティストへのラベル作成依頼は行わず、「ボトルそのもの」が芸術作品としてリリースされました。シャトーに併設されている美術館にある羊の彫刻をモチーフにした特殊加工のデザインとなっています。

また、2003年ヴィンテージは、ムートンの150周年を記念して、ナタリエ・ド・ロートシルトの肖像画が描かれています。ナタリエ・ド・ロートシルトは1853年5月11日にムートンの所有権を取得した、ムートンの産みの親とも言える人物。ちなみに背景には文章が描かれているのですが、これは、シャトーを購入した証明書で、現在でもシャトーの資料庫に大切に保管されています。

ラベルを描いた報酬は、その年のヴィンテージのワインと、アーティストが希望するヴィンテージのムートンを各1ケースだそうです。

莫大な資金による設備投資

ムートンは莫大な資金を醸造設備へ投資し、格付け1級シャトーの名にふさわしい高品質なワインを造り出しています。

1926年には、全長100メートルにも及ぶ広大な樽貯蔵室を建築。実に1,000にも及ぶ樽を、2段に積み上げることなく貯蔵できるほどの面積です。

2012年には莫大な資金を注ぎ込み、約70メートルにも及ぶ新しい醸造施設を建設。オークが44基、ステンレスタンクが20基の計64基にも及びます。

 

シャトー・ムートン・ロートシルトが造るセカンド・ワイン

シャトー・ムートン・ロートシルトは、シャトー名を冠したファーストワインの他に、セカンド・ワインも造っています。その名は、ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド(Le Petit Mouton de Mouton Rothschild)

日本語訳すると、「ムートン・ロートシルトの小さなムートン」という意味になります。初ヴィンテージとなる1993年ヴィンテージは、「le Second Vin de Mouton Rothschild」という名で販売されていましたが、1994年からは、現在のル・プティ・ムートン〜の名前で販売されています。

プティ・ムートンは、ファーストワイン向けの若木のぶどうを使用。オーク材の木製タンクで発酵と熟成を行う伝統的製法で造られます。

シャトー・ムートン・ロートシルトが造る白ワイン

ムートンは極わずかですが、白ワインも造っています。その名もエール・ダルジャン(Aile d’Argent=銀の翼)。このエール・ダルジャンという名前は、フィリップ・ド・ロートシルト男爵が、一人娘であり、前当主であるフィリピーヌに幼い頃から読み聞かせていた童話に由来しています。この童話の主人公である、魔法のティーポットの名前が、まさしくこのエール・ダルジャンという名前でした。

エール・ダルジャンの初ヴィンテージは1991年ヴィンテージ。比較的近年になってから造り始めたのですが、1980年初頭に7ヘクタールほどの白ぶどうを畑に植えられており(割合は、セミヨン57%、ソーヴィニヨン・ブラン42%、ミュスカデル1%)、この畑からムートンの上質な白ワインが産まれます。

オークションでの驚きの落札額

1945年ヴィンテージが、2006年に開催されたオークションで12本で29万ドルという破格の値段で落札されました。日本円にして約3,100万円。さらにマグナムボトルは、6本で34万5,000ドル、日本円で約3,790万円で落札され、世界で最も高価なワインの称号を獲得しました。

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